【合格体験記①】プロジェクトマネージャ試験 午前編

仕事ログ

少し遡りますが、私は2020年に情報処理技術者のプロジェクトマネージャ試験を受験し、無事に合格することができました。
自分が資格試験を受験したときは、ネットに投稿された合格体験記が参考になりましたので、今度は自分の体験が他のどなたかの参考になればと思い、この記事を投稿します。

試験の概要

試験名情報処理技術者 プロジェクトマネージャ試験
試験構成午前Ⅰ・午前Ⅱ IT全般の知識を問うマークシート方式
午後Ⅰ・午後Ⅱ PMの実践的なスキルを評価する記述・論述
実施時期秋期(10月)の年1回

受験のきっかけ

プロジェクトマネージャ試験を受けようと思ったきっかけは、一言で言えば「新型コロナウィルス」でした。新型コロナウィルスの感染拡大により、私の職場も2020年4月から完全リモートワークへと移行しました。
今でこそリモートワークは当たり前になっていますが、当時は初めての経験。通勤や飲み会といった日常の習慣がすっかり消えて、急に自由な時間が増えてしまったのです。

外出できない生活が始まって3ヶ月ほど経過した2020年7月頃、「何かやらなければ」という焦りのようなものを感じながらYahooニュースを眺めていると、「春に中止となった情報処理試験を秋に開催する」という見出しが目に留まりました。
情報処理推進機構(IPA)のサイトを確認すると、本来は春期に実施される予定だったプロジェクトマネージャ試験が、秋(10月)に延期されていることを知りました。

私は直前の2020年2月にPMS試験(日本プロジェクトマネジメント協会認定:プロジェクトマネジメント・スペシャリスト)を受験していたため、頭の中にプロジェクトマネジメントの知識情報が残っている状態でした。そこで「ついでにプロジェクトマネージャ試験も受けてみようか」と、軽い気持ちで申し込みました。

試験が開催される10月まで約3ヶ月。期間は短かったですが、有り余る「おうち時間」を受験勉強に費やすことを決めました。

試験対策の方針

私は資格試験に臨む際、どんな試験でも共通して持っている2つの方針があります。それは、「過去問で学ぶこと」と「1冊の参考書と心中すること」です。プロジェクトマネージャ試験に限らず、だいたいの資格試験はこの方針で合格することができました。

過去問で学ぶ

資格試験の勉強の目的は「合格すること」です。その目的を達成するために最も有効な勉強方法が「過去問」だと思っています。

以前に別の資格試験を勉強していたときに、「せっかだから幅広く知識を身につけよう」と欲張って学習を進めた結果、中途半端な学習になって不合格におわったという苦い経験がありました。

もちろん知識を身につけることも重要ですが、それは資格試験の目的ではありません。目的は「合格すること」に絞るべきと思います。
そして、目的を合格に絞るのであれば、出題されやすいポイントを集中的に学習するのが最短ルート。その最短ルートこそが「過去問で学ぶ」ことだと私は思っています。

とくに出題範囲が広い試験は、知識を詰め込むだけでは対応しきれません。だからこそ、過去問を繰り返し解いて「出やすいテーマ」や「問われ方の傾向」などを掴むことで、得点の確率を上げることができます。

なお、情報処理技術者試験の過去問はIPAのサイトから無料でダウンロードできます。これを活用しない手はありません。午前も午後も共通して言えることですが、「過去問をどれだけ解いたか」が合否を分ける大きな要因になります。

1冊の参考書を心中する

「1冊の参考書と心中する」という方針には、「本当にこの勉強法で合格できるのか?」という迷いを断ち切るという目的があります。

かつて私は、「この勉強で合格できるのか」と不安になって集中力が欠けてしまうことが悩みでした。
その反省から、今は1冊の参考書を信じてやり抜くようにしています。

つまり、参考書に書いてある通りに学習し、それで不合格だったら「参考書が悪かった」と開き直る。そうすることで、勉強法に対して余計な不安を抱えずに集中できるようになりました。

もちろん、1冊の参考書と心中する訳ですから、心中相手の参考書は時間をかけて慎重に選びます。Amazonの口コミやネットに投稿された合格体験記を調べて、「これだ」と思う1冊を購入しています。

午前Ⅰ・Ⅱの対策

では、本題である「プロジェクトマネージャ試験」の試験対策に入ります。

プロジェクトマネージャ試験の構成は、午前I・午前II・午後I・午後IIの4部構成。
その中で午前Iと午前IIは選択式(マークシート)で、IT全般の知識が問われます。
午前の試験は、合格ラインが6割とされており、出題範囲は非常に広いですが、実際の問題は過去問の焼き直しが多いことが特徴です。そのため、過去問ベースの学習が非常に効果的だと感じました。

使用した参考書

私が午前の試験対策として使用したのは翔泳社の「情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ」です。
毎年最新版が出版されており、午前対策では定番とも言える一冊です。

この本には、過去問が500題も収録されていて、それらの過去問が分野ごとに体系的に整理されています。まさに「過去問で学ぶ」ために最適な構成になっており、非常に使いやすい参考書でした。

午前試験はIT全般の知識を問われるため出題範囲は広大になります。この試験を知識だけでカバーするのは困難だと思います。
ただ、出題範囲は広大なのですが、実際には過去問の類題が多く出題されるので、過去問を繰り返し解いておくことで、出題範囲や出題パターンが自然と見えてきます。

正直に言うと、その分野の知識が完全に身についていなくても、過去問で出題された問題さえ解けるようになっていれば、試験では十分に得点できます。それくらい、過去問と似たような問題が多く出題される印象でした。

参考書を使った勉強方法

具体的ば勉強方法についても記載します。
結論から申し上げると、参考書を3周すれば、合格ラインに達すると思います。

1周目は、最初から最後まで一通り解いていきます(プロジェクトマネージャ試験の範囲外とされる問題はスキップしてOKです)。
このとき、100%の自信を持って正解できた問題にはOKマークを付けておきます。OKマークが付いた問題は、その後は二度と解きませんので本当に自信のある問題だけにOKマークをつけてください。
間違えた問題や、正解したけど100%だと言い切れない問題は、解説をじっくり読んで理解を深めます。

2周目は、OKマークが付いていない問題だけを解いていきます。そして、1周目と同様に100%の自信を持って正解できた問題にOKマークを付けておきます。3周目も同様に対応します。

この方法であれば、自身のない問題だけを効率的に繰り返し学習することができます。3周すれば十分な仕上がりになると思いますが、時間に余裕があれば4周・5週と繰り返せるとよいです。

最後に大事なポイントですが、試験前日や当日の朝に、最後までOKマークが付かなかった問題だけを再度見直します。この段階になると、残っている問題数も少ないので、1〜2時間あれば確認できると思います。
直前に記憶を呼び起こすことで、本番での得点率がぐっと高まります。

午前対策のまとめ

午前試験は、「点を取るための工夫」をすれば、しっかり点が取れる試験です。

広範な知識を詰め込もうとするのではなく、過去問を通じて「試験に出る問題」に集中し、効率的に得点を稼ぐ。これこそが合格への最短ルートだと私は考えています。

私が受験したとき、過去問でカバーされていない問題の出題割合は1割にも満たない印象でした。試験の合格ラインは6割ですから、過去問でカバーされている問題をしっかり取れば、十分に合格できます。

「過去問だけで大丈夫だろうか」という不安があるかもしれませんが、私は自信を持って「大丈夫」とお伝えします_。

次回の記事では、午後編として、午後I・午後IIの対策について紹介します。最大の山場となる論文対策についても書いていますので、ぜひ続けてご覧ください。